なつやぎブログ

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海に纏わる証言まとめ『海獣の子供』原作より

海獣の子供に関しての記事。

ひとつにまとめてしまうととんでもなく長い記事になってしまうので、ジャンルごとに分けて書いていきます。

 

原作では、琉花の過去の話を中心に、その他の登場人物の過去、そして”海に纏わる証言”が時々挟み込まれ展開していきます。

この証言ではのような生命体が世界各地に存在すること、海の不思議さを物語っています。

このページでは、映画では省かれていたこのエピソードををまとめていきます!

豆知識も加えつつ、順に紹介していきます。 

 

 

海に纏わる証言

 

第一の証言 海中にいた人間の赤ちゃん

元水中カメラマン K・Bソデスの証言

フィリピン・クフべ島で収集

初夏の満月の夜、珊瑚の産卵の撮影のため、地元の海に潜る。

真っ暗な海の中に降り注ぐような珊瑚の卵。まるで星空を漂っているような体験。

その海中で人間の裸の赤ちゃん二人と出くわす。もちろん酸素タンクも何も持っていない、丸腰の赤ちゃん。赤ちゃんはそのまま潜って消えていった。

『海には魔物が住んでいる』

ソデス氏はそれ以来潜水をやめた。

 

珊瑚の産卵は実際に満月の夜に一斉に起こります。

珊瑚以外にも満月の夜に産卵をする海洋生物はたくさんいて、月の引力が生体リズムに影響を与えている、と言われています。

波も、潮の満ち引きも月の引力の影響で起こるんですよね。

人間も満月の日は出産件数が増えます。(私も満月の日に出産しました)

女性の平均的な月経周期は月の満ち欠けの周期と同じ、28日です。

また、羊水は海水と成分が似ている、とも聞いたことがあります。

月と海、女性機能・・・宇宙と生命の誕生の繋がりを感じさせますよね。

 

第二の証言 人間の赤ちゃんを抱えて泳ぐジュゴン

大学院生 サラ・ヘンダーソン、アレックス・ヘンダーソンの証言

オーストラリア・ケイクコートにて収集

毎年無人島でキャンプをしていた。

各地でシュノーケルをしていて、ジュゴンも何度か見かけたことがあった。

ただ一度、誰も信じてくれなった光景を目の当たりにした。

ジュゴンが人間の赤ちゃんを脇に抱え、授乳をしながら泳いでいるところだった。

 

海獣とは、クジラ、イルカ、オットセイなど、海に棲む哺乳類の事。

(怪獣じゃないよ)

ジュゴンもそのうちの一種。

ちなみにジュゴンは脇(前ヒレの下)に乳首がある。これはゾウの乳首の位置と似ていて、ジュゴンは分類的にゾウと近縁であり、ゾウの仲間が海に帰ったという説があるようです。

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実際は脇に抱えずこうやって授乳するみたいです

 

 

第三の証言 言葉を話さない不思議な少年

延縄漁師 ロザリオ・グッドの証言

アメリカ・サウス・フィッシャーマンズワーフにて収集。

ある時、仕事場の港で10歳くらいの言葉を話さない少年を見かけるようになる。

何となく気にかかり、声をかける。

簡単な仕事を手伝ってもらい、報酬として魚を渡す。(少年は、報酬は金より魚の方がいい、という表情を見せる)

少年は港に集まるオットセイと戯れる。

姿形は人間そのものなのに、なぜかその光景は不思議で、少年は人間ではないように見えた。

ある日ぱったり少年を見かけなくなる。

数日後、魚と一緒に網にかかり、死体で港にあがった。

死体には下半身がなかった。

警察はサメにやられた、と言っていたが、その死体には傷ひとつなくつるんとしていて、腹部の下には滑らかな魚の尾びれのようなものがついていた。

死体は強制的にマイアミの水族館に引き渡された。

 

が小笠原で隕石を奪い合った際、死んでいった生命体の一部の死体の様子と、この証言に出てくる死体の様子が似ています。

 

第四の証言 ウバザメの門

子供たちの母親 ニフ・フニフ・サチコの証言

ミクロネシア・コラバ島にて収集

ある日、大型船から落ちて島の砂浜に流れついた外国人の男を見つける。

気を失っている男の看病をする。

男は言う。

”海に落ちた時、海の門をくぐった。

白い輪がいくつも連なっていた。

気がつくとお前に看病されていた。”

”それは『ウバザメ』

ウバザメの口は門になっていて、地下の国や天井の国に繋がっている。”

と教えてやった。

いつしか二人はたくさんの子供をもうける。

男は漁の途中でケガをし、今度は運悪くヨゴレの群れに喰われて死んだ。

 

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三大ザメの一種、ウバザメ。ジンベエザメに次ぐ魚類で2番めに大きい種。

海獣の子供・本編にも登場した、ジンベエザメ・メガマウスと並んで三大ザメとされるウバザメ。三種とも体は大きいが穏やかな性格で、プランクトンを食べ人は襲わない。

確かに、口の中に白い輪が連なっていますね。

 

第五の証言 腹部に巨大な目を持つブラックマンタ

盲目の彫刻家 ナパタナの証言

パプアニューギニア・キア島にて収集。

じいちゃんは言う。

”海の神は時折、人間の行いを監視するためにその姿を現す事がある。

そのとき神と目を合わせてはいけない。

命をかすめとられるか、目を失うことになる。”

この島を訪れる観光客ダイバーに人気の『ブラックマンタ』

その出現ポイントは危険だ、とじいちゃんは忠告してくるが、それが仕事だから行かないわけにはいかない。

ある日いつも通りに観光客にブラックマンタを紹介しに海に潜った。

その日はやけに海の透明度が異常に高かった。

現れた。いつも見るブラックマンタより大きい。

その腹の模様はまるでしかめっ面のよう・・そのしかめっ面から大きな目が二つ開き、ダイバーたちを睨みつけた。

そのとき潜っていた5人のうちひとりは行方不明、ふたり溺死、後の二人は失明した。

運が良かったのか。私は失明したうちのひとり。

それ以来、頭の中に湧き出すものを吐き出し続けてないと脳が破裂しそうだ。

私は彫刻家となった。湧き出すものを全て作品にぶつける。

その作品はなぜかたくさんの人が欲しがるのだ。

 

これは元ダイバーの私としてはかなり興味深い、怖い話。

実際、各地の海を潜るといろんな話を聞くんですよ。実際あった話だから書けないんですけど・・

神とは違うけれど・・・南の島って戦争の際に激戦地になったところが多くて、海でも陸でも、いろいろなエピソードがあるんですよね。

 

マンタ(オニイトマキエイ)はエイの仲間で、腹部は通常白いんですが、まれに黒い個体も存在して、珍しさからダイバーから人気を集めています。

白い腹部に一部黒い模様が入っているものもいます。

ちなみにこのLINEきせかえSCUBA!マンタは腹部の模様がハートになっています。

store.line.me

 

第六の証言 ある島の海の神の祭り

文化人類学者 エマニュエル・マストロヤンニの証言

フランス・ナルローにて収集

父は私が10歳の時、シャルル・ド・ゴール空港のトイレで死体で発見された。

衣類は身に着けておらず、持っていたはずの荷物も残っていなかった。

父は若い頃から世界を旅するのが好きだった。

ある時酔った父は、とある島で偶然見る事になった、ある祭りの話をしてくれた。

”島の成人以上の男だけの秘密結社が取り仕切っている、秘密の祭り。

厳しい約束事が太鼓の時代から守られてきた。

僕は特別に、記録を一切取らない約束で見せてもらうことができた。

『島の人々が祖先と共に、年に一度海からやって来る彼らの神と出会う儀式』

とても幻想的で魂の根源を揺さぶられる体験。

私は村人の目を盗み写真を撮りうたを録音した。約束を破ったわけだが、そうせずにはいられなかった。”

そこまで話して父の声が止まる。

家の部屋の窓の外の暗がりに、父は何かを見た。

それ以来父の様子がおかしくなった。

父は何かの儀式のようにあるいは家畜を殺すやり方で首をかき切られて死んでいた。

そのとき父はきっとフィルムとテープを持っていたのだ。

父の葬儀のあと、母は写真とテープを燃やしていた。その後家族に被害はなかった。

 

決して外部の者が触れてはいけない、島・民族の伝統文化。

グローバルになった今の時代でも根強く残っています。

怖いけれど好奇心アンテナが反応してしまう・・・そんな興味深いエピソードです。

 

 

 

第七の証言 加奈子の過去

7番目の証言は、琉花の母・加奈子の過去の話です。

海から自分の名前を呼ぶ声がして、父と交わった時”るか”と聞こえたって話です。

原作との違いまとめで書いたので省略します。

 

第八の証言 水が湧き出る石

猟師・ストーリーテラー トーリャの証言

シベリア・チュカ半島にて収集。

”世界ができたばかりの頃。

地上の生き物全ては乾いた土の塊だった。

ただ、空を覆う巨大な鳥だけは有り余る水で潤い、しなやかに空を舞っていた。

その秘密を守るため、鳥は沈黙を守っていた。

ある時、地上の者が鳥の美しさをほめ称え秘密のことをたずねると、気をよくした鳥はうっかり口を開いた。

『私は無限に水を産み出す石をくわえているのだ』

その瞬間石は鳥の口からこぼれ落ち、地上の者はそれを隠した。

瞬く間に地上にはじめて海ができた。

その水と乾いた土が交合し、今のような生き物が生まれた。

鳥は昼間、水の反射が眩しくて目を閉じている。だが夜になると鳥は千の目、万の目を見開いて石の行方を探している。

石はいまも海底で水を吐き出し続けている。

その場所を語ることはできない。”

 

これは、何かの神話を元にしたエピソードかと調べたのですが、特に出てこず、、

オリジナルのものと思われます。

何か見つかったら追記します。または知ってる方で親切な方、情報くださいw

 

第九の証言 不思議な海の目玉

大学生兼漁師 ララ・ヒアイルグの証言

キリバス・オルレア島にて収集。

10歳の頃、素潜りでウミガメを狙っていた時の事。

竿の先が何かに触れた。

それは直径3メートル程の透明なカタマリだった。

クラゲのようでもあるが、触手や口などはなく、何よりどんなクラゲより透明で、光の具合でかろうじて見えるくらい。水のカタマリとしか言いようのないモノ。

島の事子たちはたいていそれを知っていて、ソレの話題になると、自分が観たソレの大きさを自慢し合っていた。

島の古老はソレを”祖父が海の目玉と言っていた”と言う。

”隣の島では海の卵と言うそうだ”とも。

私は海のことをもっと知りたくて。勉強して奨学金を得、本島の大学に入る事ができた。

でもソレの事はえらい先生も、誰も知らなかった。

私は大学を休学し、また海で漁をしています。

毎日の生活の中で体で海と語り合うのが、海を知る一番の方法なんじゃないかって。

 

平均3000キロの深さの水の世界、海。デデが言うように人間が分かっている、見た事がある海の姿は本当にわずかなものなのでしょう。

またジムのような研究者に対する皮肉のようにも聞こえますね。

 

第十の証言 生まれ変わる姉

神隠しにあった少女の妹 イリナ・メサの証言。

エクアドル・ブエルト・バルバにて収集。

私の姉は生まれつき声が出なかった。

姉は11歳の時のある日、行方不明になった。私は7歳だった。

ビーチに服だけが残されていた。どこを探しても見つからず、姉は死んだとされた。

2年後、姉は帰ってきた。声も出るようになっていた。

姉の話によると・・・

一人で浜にいると、沖合いから幽霊船が現れた。気付くと姉は幽霊船に乗り、そのまま海中をさまよっていたのだと言う。

姉は帰ったその日から学校に行き始めた。みんなとも普通におしゃべりした。

”以前は人が大勢いるところは怖くて仕方なかった”姉は言う。

”自分と全然違ういきものたち。

何を考えているかわからない。

でも今は海の中にいるのと同じだって思える。

海の中にいろんな魚たち、サンゴがいるのと同じだもの。

あの子たちがいるのは当たり前って思える。”

でも姉は1年後にまたいなくなってしまった。

姉はだんだん訳のわからない事を話すようになり、いなくなる直前には、全く聞いたことのない言葉のようなものをわめき散らしていた。

姉の帰りを待ち、もう60年が経つ。

 

この姉にはいったい何が起こって何が見えていたんでしょうか・・

幽霊船や神隠し。人間の力、科学の力では及ばない世界があることを表現しています。

 

 

 

まとめ

 

いかがでしたか?

こういった逸話が挟まることで、物語はより深みを増しますよね。

これは映画にない原作の魅力のひとつです。

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