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有頂天家族まとめ①
有頂天家族まとめ②
有頂天家族まとめ③
有頂天家族まとめ④
今回は謎多き矢三郎の元許嫁”海星”がたくさん登場します!
有頂天家族アニメ第1期、第9話・第10話を原作からの補填・モデルや舞台小ネタなどまとめます。
ネタバレがありますのでご注意ください。
第9話『夷川の娘・海星』
第9話では矢三郎に姿を見せない謎多き従妹の”海星”が度々登場します。
◆矢三郎が教授の元を訪れたのは偵察目的
矢三郎は、教授と弁天のツーショット写真を渡すことを口実に、金曜倶楽部忘年会の狸鍋にする狸が手配できそうなのか、教授の元へ偵察に訪れます。
この時教授と矢三郎が食べたものは”おやつの定義を逸脱するほど大きなバウムクーヘンだった”とあります。

切り株のようなバウムクーヘンをほおばる淀川教授と矢三郎を見ていると『四畳半神話大系』のカステラを思いだしますね。


カステラにはモデルのお店がありましたが、このバウムクーヘンの出所は不明。
第二部にて淀川教授への手土産に桃仙が矢三郎にバウムクーヘンを持たせるシーンがあり、箱がヒントになるかと思ったのですが特定はされていない様子。
特にモデルなどはないのかもしれません。
ちなみに原作では、農学部の学生・スズキくん(アニメでは第二部より登場)が初お目見えしていて、教授と狸以上に暢気な会話を繰り広げています・・

淀川教授『それにしても、なんで君はそこまで狸の肩を持つの?』
矢三郎『先生こそ、なんで金曜倶楽部にこだわるんです
あんなもの、辞めちまえばいい』
この場所の舞台・モデル

『京都大学吉田キャンパス北部』
京都大学の吉田キャンパス。
ここに淀川教授がいる農学部があります。
ちなみに作者の森見さんも京大農学部出身です。
◆家族で集合する『珈琲蔦屋』

この場所の舞台・モデル

『珈琲・蔦屋』
有頂天家族協賛店。
店内の細部までしっかりと描かれています。
◆へそ石様への偽右衛門立候補の報告の儀

この六角堂の集まりは洛中の狸たちが次期偽右衛門の立候補をへそ石様へ報告をする、そんな意味合いの集いです。
六角堂にある六角形の石『へそ石様』。
この作中では狸が石に化けているとされています。
森見さん作品は”偽○○”がたくさん出てきますよね。
偽○○・・・
狸らしくどこか神妙さに欠ける雰囲気がかもし出されていていい感じです(笑)
◆へそ石様は矢三郎のいたずらにより再度あがめられるきっかけになる
矢一郎『恐れ多くも、へそ石様を火であぶるなどとは・・』
矢三郎『あぶったんじゃない、いぶしたんだ!』
珈琲蔦屋でのこの”炙った”燻した”の会話はアニメオリジナルの表現ですね。
幼い矢三郎『ただの石ころではないか!
毛も生えてないスベスベのくせに生意気!』

幼い矢三郎の声は弁天の声優・能登麻美子さんが演じています
原作ではへそ石様に対して幼い矢三郎は、
”寺町の古道具屋からくすねてきた孔雀の羽根でくすぐったり可愛い雌狸の写真を置いてみたり、旨そうな匂いのする焼き鳥を皿に載せて献じた”
など手を変え品を変え意地悪をした、とあります。
そして最終的手段が松葉でいぶす、というものでした。
う~ん・・
アニメよりも原作の矢三郎の方が”阿呆っぽい”ですよね(笑)
◆南禅寺は下鴨家と友好関係にある

矢一郎の親友であり、二部から登場する玉瀾のお兄さんでもあります
◆『洛天会ビル』を眺めながら弁天との出会いを思い出す矢三郎
六角堂からは第一話で出てきた屋上の桜がある『洛天会ビル』が見えます。ビルの屋上を眺め物思いにふける矢三郎。
赤玉先生に寄り添って舞い散る桜を眺めていた弁天は、やがて発揮されるべき天狗よりも天狗らしい本性を押し隠して、清楚この上なかった
あの頃の彼女の姿が、今では夢のごとくに思われる
べ・・弁天が清楚この上なかった!?
読者視聴者もびっくりです(笑)
森見さんの中ではこの頃の弁天はきっと、”黒髪の乙女”のようなイメージだったんじゃないかな~
(原作では弁天は黒髪という設定なんですよね。
アニメではアニメ特有の色使いというものがあるので変えているんでしょうね)
◆赤玉先生が訪ねる糺の森のシーンが美しい
総一郎の弱点が判明したシーン、この糺の森がすっごく綺麗です。

水面に映る景色とか、淡い水彩画のようなちょっとにじみのある細かい表現はテレビアニメのクオリティーと思えない!
美しすぎます・・!
◆八坂平八郎は早く務めを終え南の島に行きたい狸
総一郎亡き後、臨時で狸界をまとめている八坂平八郎。
”早く次の偽右衛門を決めて南の島でバカンスしたいな~”
そんな、器量はいいけどやる気はない狸です。

今気づいたけど小泉元首相に似てますネ
矢一郎は父への憧れと責任感から、早雲は悪だくみのため偽右衛門に立候補しましたが、そもそも面倒ごとをたくさん抱えねばならない偽右衛門という立場になりたいという狸の方が珍しいんですよね。
へそ石様『だんだん寒くなってきたゆえ風邪ひかんように
風邪は万病のもとだゼ!』
原作のへそ石様の御言葉。
へそ石様ってけっこうフランクなんですね・・
◆原作では六角堂のシーンは狸たちがかなりわちゃわちゃしている
六角堂に集まる狸たちは化け姿が女子大生だったり、出前姿だったり、会がはじまれば鳩に毛玉のような長老をさらわれかけたり・・・
原作での六角堂の報告会はにぎにぎしくわちゃっと感があります。

この場所の舞台・モデル

『紫雲山頂法寺』
領国三十三所第十八番札所
六角形の屋根をしているため通称”六角堂”と呼ばれています。
要石(かなめいし)通称”へそ石”は実際に存在します。
へそは京都の中心を意味し、桓武天皇がこの地へ都を造るときその石を起点にして街路を区切った、という逸話があるようです。
森見さんはへそ石様に関して裏設定がある、とおっしゃっていました。
なんだろ・・気になる・・
あ、、
もしかしたらへそ石様に化けている狸が複数いるとか??
一匹じゃ大変だから順番で化けてるんじゃない??
森見さんは”一生表にはださないかも”とのことだったので、正解はわかりません~
◆汝、風邪をひきたくなければ底冷えから尻を守れ

この場所の舞台・モデル

『カフェウッディタウン』
矢三郎が尻をあたためていたカフェ。
原作ではカフェではなく狸姿のまま枯れ葉であたためています。
◆赤玉先生の説得は矢三郎以外にはできない
赤玉先生と言えば矢三郎。
狸界では”わがままを言う赤玉先生をなだめるのは矢三郎担当の仕事”として認識されている節があります。
矢三郎『先生が威張っているのは天狗だからであります
狸や人間どもが舌を出そうが、問答無用で偉いから天狗なのではないですか』
・・・・
赤玉先生『矢三郎よ
おまえ、今、これは来るに違いないと思うたろう』
矢三郎『さすが先生、先刻御承知ですか』

さすが矢三郎。
赤玉先生を持ち上げるのがうまいです。
◆矢三郎と海星のこれから恋人になりそうな描写がいい感じ
なれるといいな、偽右衛門に
今日も頑張るヤイチロー
ここぞというとき弱いけど
京都の狸のためならば
たとえ火の中、水の中
海星に『なんて中身のない歌!』と突っ込まれるヘンテコな歌。
この後の
『いい湯だな』
『だね』
は、”ああこれはこの二人くっつくわ~”な雰囲気でしたね。


海星『天狗になるなよ、矢三郎』
矢三郎『天狗になれるかよ
だって俺は狸だもの』
海星『それからねえ・・・』
・・・・
海星『ごめんな』
姿を見せない元許嫁は確かにそう言った
◆狸も浮かれるクリスマス
狸はフライドチキンが好物である
洛中のケンタッキーに出入りしている客のほぼ半分は狸に占められるという統計もある

◆アニメではカットされたコーポ枡形でのクリスマス
アニメでは弁天と矢三郎の会話で少し出てくるだけの省略されたシーンがあります。
クリスマスの夜、ひとり酔いつぶれる赤玉先生の元へ矢三郎は訪れ、眠っている先生の枕元にプレゼントの洋杖を置き”毛深いサンタクロース”を気取ったところで弁天がやって来る・・というもの。
ひとり聖夜の飾りつけをして、赤玉ポートワインをまるまる三本あけたらしい
淋しいことをするものだ、せめて誘ってくれればよいものを
◆弁天が故郷の雪景色の話をする
そのクリスマスのコーポ枡形の部屋で弁天は故郷の話をします。
(この有頂天家族まとめ③の記事でも書いたものです)
故郷の雪景色をいつも淋しいと思いながら見ていた、と。
弁天と矢三郎がそんな話をしているうちに、赤玉先生が目を覚まし、弁天に何かプレゼントをあげようとしますが何もなかった、という会話がふたりの関係をよく現わしています。
弁天『ねえ
先生はもう何もお持ちではないのね』
・・・
赤玉先生『その通りだな
おまえにやるものは、もう何もない』
赤玉先生、なんだか淋しそう・・
第10話『夷川早雲の暗躍』
ついに金曜倶楽部の忘年会当日がやってきました。
父の命日でもあり、新しい偽右衛門が決まる日でもある。
う~ん、何も起こらないわけがない・・!
矢一郎『父上のようになりたいと考える俺が、その夢を果たすためには、偽右衛門になるほかにどんな方法がある?』
・・・
矢三郎『たまには朝寝をすればいい』
矢一郎『そうかもしれん』

◆出かける矢一郎の背中に火打石を鳴らす意味

時代劇などにもたまに出てくる、火打石を鳴らす行為。
これは”切り火”といって、魔除けや縁起担ぎの道具とされる火打石をならすことで、出かける人が無事帰って来れるように願いを込めて行うものです。
矢三郎はこの時すでに、なにか嫌な予感を感じています。
なぜであろう、小さくなる人力車を見つめているうちに、それを呼び止めたい気がした
そうして降り立った長兄のそばへ駆けていって、背中を叩いてやりたくなった
なぜだか、そのとき、彼と二度と会えないような気がしたのである

◆狸はカエル姿でもフライドチキンが好きらしい
矢二郎『いずれ狸のやることだ、役に立とうなんて思いあがりさ』
次兄は鶏をもぐもぐやりながら笑ったらしい

矢三郎『兄さんはまだ海星に惚れているかい?』
・・・・
矢二郎『井戸の中の蛙にそんなこと聞くもんじゃないよ
切なくなるばかりじゃないか』
好きか?と聞かれ、原作でははっきりと『そりゃそうだ』と矢二郎ははっきり答えています。
◆下鴨家の狸たちが夷川家に捕らえらる!

このシーン、サスペンスドラマのようでしたね

この場所の舞台・モデル

乙第一倉庫の隣の建物は『京都踏水会』
オリンピック選手を輩出する名門のスイミングスクールです。
夷川発電所の裏側にあります。
◆海星は知っていた・総一郎の死の真相
海星は父の死の真相の一部始終を見ていました。
これが前回のあの謎の『ごめんな』だったわけですね。
海星『うちの父は矢一郎さんをお鍋にする気よ
伯父様のときと同じ!』
・・・・
『伯父様をお鍋にしたのは、あたしの父なの』

◆早雲の印籠は仁丹入り
父・早雲の”金鶏町蒔絵の印籠”のコレクションをこっそり眺めるのが好きだった海星。
早雲は仁丹に目がなく印籠に入れて持ち歩いていたそうです。
海星が化けた弁財天の根付を見て早雲はあやしく笑いますが、原作では海星が化けたものとは気づいていない、とありますね。

早雲はあの風体で仁丹臭い・・
ますますあくどいイメージが追加されますね。

◆鞍馬天狗と弁天のつきあい
弁天と鞍馬天狗との出会いは、
”天空を自在に飛行する術を心得て、気ままに空の散歩を楽しんでいた彼女に、鞍馬天狗が声をかけたといったところであろう”、とのこと。
赤玉先生以外の天狗の知り合いもでき、徐々に弁天は赤玉先生のところを抜け出すようになったんですね。
◆弁天が金曜倶楽部に入るきっかけは寿老人の推薦
弁天が金曜倶楽部に入ることとなったきっかけは、夜の先斗町で意気投合した寿老人の推薦を受けた、とあります。
寿老人が金曜倶楽部で幅を利かせていることがよく分かります。
また、鞍馬天狗たちは総一郎が起こした”偽如意ヶ嶽事件”を根に持っていて、いつか仕返しを、と考えていたのでしょう。


早雲『さらばだ、兄上
もう会うこともあるまい』
・・・・
総一郎『弟よ
お前はそれでいいのかい?』
座敷を去る早雲の背中へ、静かに言った
総一郎が鍋になったことで、早雲は積年の恨みを晴らし狸界の実質的な頭領となり、鈴木聡美は弁天になり、赤玉先生は魔王杉事件で力を落とし、鞍馬天狗たちは如意ヶ嶽から赤玉先生を追うこととなります。
ねじ曲げられた天狗・人間・狸たちの運命があの夜あの座敷にて交錯し、父の鉄鍋転落を契機に、それぞれの方角へ別れた
総一郎が鍋になった日は天狗にとっても人間にとっても狸にとっても、大きな変わり目を迎えることとなる”転機の日”だったわけですね。
みんなつかまっちゃった!
どうなる下鴨家!
いよいよ残り3話!クライマックスです!
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