アニメやCMを見て
「え、これジブリじゃないの!?」
って経験みなさんきっとありますよね?
この記事ではスタジオジブリの制作ではないけれどジブリに似ているアニメを紹介しています。
アニメ好きはもちろん、
「普段アニメをあまり見ない、ジブリ以外はあまり見たことがない」
そんな人でも見やすいアニメ作品が揃っていますので是非参考にしてみてください!
※「ジブリ感」として★をつけています。
基準は”私がどのくらいジブリっぽいと感じたか”であり、作品への評価ではありません。
①「茄子 アンダルシアの夏」
「茄子 スーツケースの渡り鳥」

自転車ロードレースが題材の「茄子」シリーズ。
おもしろさ&見どころがぎゅっと濃縮された中編アニメ作品です。
監督・脚本・キャラクターデザインを担当した高坂希太郎さんはジブリ下請け会社にて原画や作画として多くのジブリ作品に参加、作画監督を担当した「風立ちぬ」で東京アニメアワードフェスティバル2014・アニメーター賞を受賞しています。
”宮崎駿監督の一番弟子”と言われることもあるとか。
また、二作目の「スーツケースの渡り鳥」の作画監督は数多くのジブリ作品に原画で携わってきた吉田健一さんが担当しています。
茄子シリーズはとにかくめちゃくちゃ面白い!
ジブリ好きやロードレース好きはもちろん、そうでなくとも老若男女問わず見てほしい名作です!
「茄子 アンダルシアの夏」2003年劇場公開 42分
「茄子 スーツケースの渡り鳥」2007年OVA発売 54分
◆東京国際アニメフェア2008・第7回東京アニメアワード優秀賞OVA部門受賞
制作:マッドハウス
ジブリ感 ★★★★★ 5.0
②山賊の娘ローニャ

山賊間の対立を描いた「山賊の娘ローニャ」はスウェーデンの児童文学が原作。
2014年に宮崎五朗監督によりアニメ化されました。
宮崎五朗氏はいわずもがな宮崎駿監督のご子息であり、スタジオジブリでも「ゲド戦記」「コクリコ坂から」「アーヤと魔女」の監督を務めています。
「山賊の娘ローニャ」はジブリが”制作協力”として参加しており、キャラクターデザインの担当は「魔女の宅急便」の作画監督の近藤勝也さん。
そのため人物の容姿は果てしなくジブリなのですがCGがふんだんに使われているため、ぱっと見の印象よりジブリっぽさは低め。
(・・と言っても「アーヤと魔女」は3D作品なので、このCGもそのうち”ジブリっぽい”ってことになる時代がくるのかも?)
テレビアニメと思えぬハイクオリティな作画がめちゃくちゃ美しいです!かなりの意欲作!
2014年テレビアニメ放送 全26話
制作:ポリゴンピクチュアズ
◆2016年国際エミー賞・子どもアニメーション部門 最優秀賞受賞
ジブリ感 ★★★★☆ 3.5
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③不思議の海のナディア

世界的名著「海底二万里」「神秘の島」を原作とした「ふしぎの海のナディア」は”ラピュタの親戚”とも言われる作品です。
というのも、今作のおおもとの企画は「未来少年コナン2」の位置づけとしてテレビアニメシリーズ用に宮崎駿監督がNHKに提出したもの。
その企画は実現せず、のちに宮崎監督が転用しジブリで作品化したのが「天空の城ラピュタ」なのです。
その後、元案の企画はガイナックスへ渡りアイディアが追加されアニメ化が実現しました。
総監督を務めたのは庵野秀明監督。
庵野監督といえばエヴァンゲリオンのイメージですが、ジブリとも大変縁がある方で「風の谷のナウシカ」の作画スタッフに応募し採用されたことがきっかけで上京、その後アニメ界で活躍の場を広げていった・・という経歴の持ち主です。
そのほか「火垂るの墓」に原画として参加、「風立ちぬ」では主人公の声を演じています。
「ふしぎの海のナディア」は壮大な冒険譚!
古代文明・アトランティス・ノアの箱舟・・
世界の不思議ミステリーに惹かれる方は是非とも観ましょう。
このエンタメ全開な作風は限りなくジブリっぽいのですが、ジブリよりも奔放・やりたい放題感があり爽快です!
1990年~テレビアニメ放送 全39話
制作:ガイナックス
ジブリ感 ★★★★☆ 4.0
④雲のように風のように

中世の中国をモデルにした架空の王朝で、激動の時代を生きた少女の人生を描く物語「雲のように風のように」。
原作は酒見賢一さんの歴史ファンタジー小説「後宮小説」です。
キャラクターデザイン・作画監督に近藤勝也さん(「魔女の宅急便」の作画監督)。
編集にジブリ作品を多く手掛ける瀬山武司さん、その他ジブリで活躍するスタッフが多数参加しました。
そのためジブリ作品と思っている人が多数いるもよう。
作品のクオリティーとしても名立たるジブリ作品と並べても見劣りすることはない傑作です!
1990年テレビアニメ放送 80分
制作:スタジオぴえろ
ジブリ感 ★★★★★ 5.0
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⑤二ノ国

ジブリが制作協力しているRPGゲーム「二ノ国」シリーズ。
そのゲームを元にした劇場アニメ作品が百瀬義行監督により2019年に公開されました。
百瀬監督はスタジオジブリに所属していた人物で「火垂るの墓」「おもひでぽろぽろ」など高畑勲監督作品で作画監督補など重要な役を担い、多くの宮崎駿監督作品で原画などを担当しました。
音楽は「風の谷のナウシカ」以降全ての宮崎駿監督長編アニメーション映画音楽を手がけてきた久石譲さん。
豪華な制作陣ですね。
そもそものゲームの作画をジブリが担当しているので見た目はほぼジブリ。
音楽と作画背景が最高!
でもびっくりするほどレビュー評価が低い!
そのあたりを含め一見の価値アリな迷作です・・!
2019年劇場公開 106分
制作:オー・エル・エム
ジブリ感 ★★★★☆ 4.5
⑥「陶人キット」
(Genius PartyBEYOND)

気鋭のクリエイターが集結した短編アニメオムニバス作品「Genius Party」。
第2段「Genius PartyBEYOND」の中のひとつ「陶人キット」はアニメーター田中達之さんが監督・絵コンテ・キャラデザ・美術・原画を担当した作品。
田中達之さんは宮崎駿監督のファンであったことからアニメーションの世界へ入り、ジブリ関係のクリエイターが多数所属するSTUDIO4℃を中心に活動。
「カナビス」名義でイラストレーターとしても活躍しています。
”退廃的なアパートの一室、ぬいぐるみの中で”何か”を育てる少女。
そこに管理局のメスが入る・・”
「陶人キット」は終始アングラな雰囲気なのでジブリと間違えることはありませんが、人物のデザインなのかロボ男の動きなのか佐野史郎さんの声なのか・・
どこかが何かがジブリっぽい。
ダーク系かっこいい系・似ジブリ作品です。
たった14分の作品ですが世界観が完璧に出来上がっていて満足度高し!
2008年10月11日劇場公開 全5話 90分
制作:STUDIO4℃
ジブリ感 ★★☆☆☆ 1.5
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⑦漁港の肉子ちゃん

明石家さんまさんプロデュース・大竹しのぶさん&Cocomiさんの声優起用で話題となった「漁港の肉子ちゃん」。
直木賞作家の西加奈子さんのベストセラーが原作です。
こちらもジブリに関連したクリエイターが多く在籍するSTUDIO4℃制作の作品。
キャラデザ・総作画監督を小西賢一さん(「かぐや姫の物語」作画監督ほか、ジブリの原画に多数参加)が担当しました。
ジブリっぽい・・というかトトロのオマージュが満載なことと、美味しそうな食べ物の登場、背景の田舎の自然がまさに”トトロ漁港バージョン”なためチョイスしました。
笑って泣ける、母と娘のハートフルなエンタメ作品です。
ジブリ感 ★★☆☆☆ 2.0
⑧ももへの手紙

広島県大崎下島を舞台に、妖怪たちと少女の交流を描いたファンタジー作品「ももへの手紙」。
キャラクターデザイン・作画監督に安藤雅司さん(「もののけ姫」「千と千尋の神隠し」「思い出のマーニー」の作画監督)、美術監督に大野広司さん(「魔女の宅急便」の美術監督)が参加。
奇妙だけど愛嬌抜群な妖怪たちはジブリ作品に登場しても違和感がないでしょう。
淡く美しい背景もジブリ感をかもし出しています。
エンタメ性の高さとジブリさながらの安定感で数々の賞の受賞も納得な傑作です!
2012年劇場公開 141分
制作:プロダクションI.G
◆文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞
◆第36回日本アカデミー賞 優秀アニメーション作品賞
◆第16回ニューヨーク国際児童映画祭長編大賞受賞
そのほか多数の賞を受賞しています
ジブリ感 ★★★☆☆ 3.0
⑨鹿の王 ユナと約束の旅

前項の「ももへの手紙」でキャラデザ&作画監督を担当した安藤雅司さんの初監督作品。
「千と千尋の神隠し」の監督助手を務めた宮地昌幸さんとの共同監督作品です。
原作は上橋菜穂子さんのファンタジー小説。
人物デザインはちょっとジブリ入っているかな?くらいでジブリっぽさはそんなに高くありません。
が、鹿はまさにもののけ姫!
お話はシリアスで怪我などの描写も過激ぎみなので子ども向けではないけれど、音楽も背景も壮大で美しい!
高クオリティーなおすすめアニメです。
2021年9月10日公開
制作:プロダクションI.G
ジブリ感 ★★☆☆☆ 2.5
⑩夜明け告げるルーのうた

人魚伝説が伝わる海辺の街での、少年と人魚の交流を描いた作品。
美術監督に「魔女の宅急便」の大野広司さん、音楽は「思い出のマーニー」の村松崇継さん、脚本を「猫の恩返し」の吉田玲子さんが担当しています。
海からやってくる人魚のルーにポニョを重ねる人が多い模様。
ルーのパパもジブリに出てきそうなキャラ。
ですが実際には監督の湯浅政明さんとキャラデザ&作画監督の伊東伸高さんの作風が色濃い印象で、全体的なジブリ感は低め。
ポップでかわいらしいファンタジー作品「夜明け告げるルーのうた」はジブリ感は低くもおすすめな傑作です!
2017年劇場公開 107分
制作:サイエンスSARU
◆アヌシー国際アニメーション映画祭長編部門クリスタル賞受賞
◆文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞受賞
ジブリ感 ★★☆☆☆ 1.5
⑪オーバーマン キングゲイナー

近未来を舞台にしたロボットアニメ「オーバーマン キングゲイナー」は数多くのジブリ作品に原画で携わってきた吉田健一さんがキャラクターデザインとして参加したテレビアニメ作品。
サンライズ制作のバリバリロボットアニメなのでジブリと間違えることはなさそうですが、やはり人物の容姿はジブリ感あふれる仕上がり。
ジャンルは違っても”ジブリっぽい”との声が多数あがる作品です。
ジブリがロボットアニメを作ったらこんな感じかも。
2002年テレビアニメ放送 全26話
制作:サンライズ
ジブリ感 ★★☆☆☆ 2.0
⑫忘念のザムド

監督に「千と千尋の神隠し」「めいとこねこのバス」の監督助手を務めた宮地昌幸さん、アニメーションディレクターにジブリ出身の奥村正志さん、キャラクターデザインに吉田健一さんの弟子・倉島亜由美さんが参加。
架空の現代都市で繰り広げられるSFバトルもの。
小型飛行船などナウシカを思い起こす人が多く、”ジブリっぽいアニメ”としてよく名前が上がる名作です。
プレイステーションストアで配信されたWebアニメですが、作画に非常に力が入れられており”劇場アニメ並のクオリティー”と評判!
少々難解な部分があるため万人受けする作品ではありませんがコアなファンが多く存在する傑作アニメです。
2008年Webアニメ 全26話
制作:ボンズ
ジブリ感 ★★★★☆ 3.5
⑬電脳コイル

「電脳コイル」の監督・磯光男さんは「おもひでぽろぽろ」「紅の豚」「海が聞こえる」(TVアニメ)の原画に参加した方。
キャラクターデザインの本田雄さんはガイナックスに所属時「ふしぎの海のナディア」の作画監督を務め、「電脳コイル」ののち「崖の上のポニョ」や「風立ちぬ」の原画に参加しました。
宮崎駿監督に絶賛されるという、優れた技量の持ち主です。
ペットもインターネットも、ウェアラブルコンピューター”電脳メガネ”を通して”見る”のが当たり前の世界。
不思議な雰囲気のSFアニメ作品です。
”ジブリっぽい”とそこそこ名があがる作品ですが、オリジナリティーが確立している作品のため”ジブリとは全く別物”と個人的には感じます。
どちらにせよ名作&傑作であることに違いはない!
おもしろいですよ~!
2007年テレビアニメ 全26話
制作:マッドハウス
◆第29回SF大賞受賞
◆文化庁メディア芸術祭アニメーション部門優秀賞受賞
そのほか多数受賞あり
ジブリ感 ★☆☆☆☆ 1.0
⑭メアリと魔女の花

”ジブリと似ている”と言えばまず名前があがるのが”スタジオポノック”でしょう。
ジブリ作品のように金曜ロードショーで放送されるため抜群の知名度があり、作風も似ているのでジブリ作品と思っている方も多いかもしれません。
スタジオポノックは、ジブリの制作部解散に伴いジブリを退社した西村義明さん(「かぐや姫の物語」「思い出のマーニー」プロデューサー)が米林宏昌さん(「借りぐらしのアリエッティ」「思い出のマーニー」監督)の新作を作るために設立されたアニメ制作会社です。
長編一作目である「メアリと魔女の花」は8割がジブリ作品に関わったことのあるスタッフにより制作されました。
それは”ジブリっぽく”なるのは自然のことですね。
2017年劇場公開
制作:スタジオポノック
ジブリ感 ★★★★★ 5.0
⑮ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー

スタジオポノックの「ちいさな英雄ーカニとタマゴと透明人間ー」は3つの短編アニメで構成された劇場アニメ作品。
それぞれの個性が光る短編ですがやはりジブリっぽさは健在です。
「カニーニとカニーノ」15分 米林宏昌監督
「サムライエッグ」15分 百瀬義行監督
「透明人間」14分 山下明彦監督
2018年劇場公開
制作:スタジオポノック
ジブリ感 ★★★★★ 4.5
⑯世界名作劇場シリーズ

私が子どもの頃、日曜の夜といえば「世界名作劇場」鑑賞タイムでした。
世界中の小説や童話をもとに作られたテレビアニメシリーズです。
世界名作劇場シリーズはジブリスタッフが関わる作品が多く、中でも「アルプスの少女ハイジ」は総合演出に高畑勲監督、画面構成に宮崎駿監督が参加しています。
そのほか「ロミオの青い空」「愛少女ポリアンナ物語」「若草物語 ナンとジョー先生」ではトトロやおもひでぽろぽろのキャラデザ&作画監督を務めた佐藤好春さんがやはりキャラデザと作画監督で参加。
ジブリっぽいアニメとして名前があげられます。
ジブリ感 ★★★★★ 2.5~5.0(シリーズにより異なる)

⑰バルテュス ティアの輝き

ジブリがアダルトアニメを作っていた!?
「バルテュス ティアの輝き」は”まるでラピュタなOVA作品。R18ものです。
ちょっと大人になったパズーのような人物とちょっと大人になったシータのようなキャラクターが登場。
でもジブリの作品ではありません。
根拠の乏しい噂によりますと・・
ラピュタの制作スタッフが「バルテュス ティアの輝き」の制作に複数参加、宮崎駿監督は激怒し関わったスタッフを首にした・・なんて言い伝えもあるそう。
ちょっといわく付きな印象ですがアニメとしてのクオリティーも高く根強いファンも多いとか。
そんなところも含めて伝説級な作品であることは間違いないでしょう!
1988年OVA発売 30分
制作:草間アート
ジブリ感 ★★★★★ 4.5
まとめ
ジブリっぽいアニメ作品、けっこうたくさんありましたね。
やはり日本を代表するアニメーション会社だけあり、出身者や関わりのあるクリエイターが多く存在するということでしょう。
ジブリもジブリ以外も、今後の作られるアニメを楽しみにしています!
