劇場アニメ作品「漁港の肉子ちゃん」を観てきました。
”漁港の肉子ちゃん”って・・
タイトルだけパっと見てなんだか二流のようなイメージを勝手に持っていましたが、まあとんでもない!
そんな不安を見事に払拭する素晴らしい作品でした。
ということで映画「漁港の肉子ちゃん」の感想や小ネタ情報、名言やオマージュ作品の紹介をお送りします!
肉子ちゃん・豪華な制作陣
漁港の肉子ちゃんは、「サラバ!」で直木賞を受賞した西加奈子さん原作、制作は「鉄コン筋クリート」「海獣の子供」のスタジオ4℃・監督は渡辺歩さん・キャラデザ&総作画監督は小西賢一さん・美術監督は木村真二さん。
企画プロデュースには明石家さんまさん、そして吉本興業が製作で参加しています。
なんて豪華な制作陣なんでしょう。
制作者の詳細は鑑賞後に知りましたが、これを見たら完成度の高さに納得です。
観ればわかる!
話題づくりだけじゃない実力派声優陣
肉子ちゃん声優キャスティング
- 肉子・・大竹しのぶ
- キクコ・・Cocomi
- 二宮・・花江夏樹
- ヤモリ・・下野紘
- ミウ・・吉岡里帆
- サッサン・・中村育二
- ダリシア・・マツコデラックス
肉子ちゃんはそのキャスティングでも話題となっていますが、本当に注目したいのはその実力ぶり。
大竹しのぶさんはさすがですが、声優デビューのCocomiさんもめちゃくちゃ良かったです。
聡明で大人びているけど青春らしい迷いもある、透明感あふれる声はキクりんそのもの。
あなたフルート奏者じゃないんかーい(笑)
そしてキクりんの同級生でひと悶着おこすマリアちゃん役は一般オーディションを勝ち貫いた14歳の新人・石井いづみさん。
14歳!?すごい・・!
石井さんは以前より声優を目指していた、ということなので今後の活躍にも注目ですね。
基本的にアニメは本職声優でそろえてほしい私ですが、肉子ちゃんはみんな良かったです。
しきりに感心してました。
個人的な話ですが・・
私が”本職声優じゃなくてもいい!”と感じるアニメと、そうはいかないものの差・・
単にうまさだけじゃないんですよね、何が違うんだろうか??
いまだ模索中です。
芸人枠かと思った(笑)
ヤモリ役・下野紘
「マインドゲーム」「えんとつ町のプペル」などアニメの製作や近年はアニメーターなどの人材を募集していたりと、吉本興業はアニメづくりに積極的に関わっています。
この肉子ちゃんでも吉本所属の芸人さんが多数参加している、という情報を事前に聞いていました。
”セミの声が宮迫というのは聞いていたゾ・・
この猫の声は・・ゆりやんらしい・・
てか神社が「由緒あんねんで」って話しかけてくるって(笑)これダレの声??
この地は東北地方なはずなのに神社(祀られている者?)が関西弁で話しかけてくるあたり、この声はキクりんの妄想的なもの?
子どもだけには聞こえるの?
ん??
このヤモリ、かなりいい役じゃない?
芸人枠にしてはおいしすぎない!??”
・・と思ったらヤモリは声優の下野紘さんでした。
(まあよくよく思い返してみたらイケボでした)
このヤモリは肉子ちゃんやキクりんの心情をボヤく、という重要な役どころ。
生物たちが時折ボヤくというファンタジー要素は、ありふれた俗世を描いた肉子ちゃんという作品にいい彩りを添えています。
これが実写だったらそうはいかないでしょう。アニメならではの良さですね。
芸人に疎い私はあまり分からなかったんですが、他にも芸人さんが多数出演されているらしいのでこれから見る人は注目してみたら楽しいかも。
名作オマージュ!
肉子ちゃんに登場した名作を紹介します

肉子ちゃんは名作のオマージュが度々登場していました。
となりのトトロはセリフにもあり、何度も登場していましたね。
それからフレンチトーストを母娘で作るのは「クレイマー、クレイマー」のオマージュ。
過去シーンでもフレンチトーストが登場した時はグッときました~
”若い頃のミウが肉子ちゃんに教えた料理”、という設定なんだそうです。
肉子ちゃんの中でかなり重要なシーンでのオマージュですが、さんまさんが大好きな映画だったというのは偶然らしい(!)
ここからはオマージュではなく作品として登場したものを。
キクりんが入院している際にマリアちゃんがお見舞いで持ってきたDVDは『いこかもどろか』。
1988年公開の作品で、明石家さんまさんと大竹しのぶさんが共演、馴れ初め作として知られている傑作です。
読書家キクりんが読んでいるのは「ライ麦畑でつかまえて」
借りもの競争でおじいさんが貸してくれたのは司馬遼太郎の「峠」。
エンドロールでは二宮くんが峠を読んでましたね。
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名言登場!
肉子ちゃんには笑いの素が染みついている
肉子ちゃんのイメージは”関西のおばちゃん”のステレオタイプ。
パワフルで前向きで明るくて面白い。
本人は無意識なんだろうけど、ちょっとした会話でさりげな~く笑わせてくるんですよね。
「数より量やで」(おにぎりのでかさをツッコまれた後)
「こわい話・・?」(”お好み焼き男”と聞いた後)
この”笑わせようとしていないけど体に染みついた自然体なおもしろさ”は実にハイレベルですよね。
こんなのがポンポン出てくる”関西のおばちゃん”は頭キレすぎ頭良すぎ(笑)
泣けるシーンでの肉子ちゃんの泣き方もおもしろいし、まさに泣き笑いしました。
やたら笑わせようとしてこない、やたら泣かせようとしてこない・・
そのさじ加減がとても私好みでした!
肉子ちゃんの名言「普通がいちばんええのやで」
肉子ちゃんのいろいろ経験してこその「普通がいちばんええのやで」という言葉は観るものの心に響きます。
さんまさんが原作を読んで感動し、映像化へと話が進んで行ったという今作。
さんまさんの名言である「生きてるだけで丸儲け」という言葉と、根底にある幸せの価値観は同じものでしょう。
漁港の肉子ちゃん・主題歌・挿入歌・エンディング曲
劇中で流れた主題歌「イメージの詞」は吉田拓郎さんのデビューシングルのカバー。
歌っているのは子役&ファッションモデルの稲垣来泉ちゃん。
なんと2011年生まれの10歳・・!
2011年て、ついこの間じゃん・・!(時の流れの感覚が年寄り・笑)
稲垣さんはペンギンのカンコちゃんと女児役で声優参加もしています。
エンディングはGReeeeNの「たけてん」。
タイトルの”たけてん”って何?
と思って調べたら「笑」のことでした。
(漢字を上下に分けたんですね)
さんまさんがタイトルづけをしたそうです。
原作は発行部数35万部を突破しているヒット作!読まねば!