Alii!(パラオ語でこんにちは!)
数年前にパラオという国に住んでいました。
パラオ?パナマ?バハマ?
ダイバーにならお馴染みの南の島ですが、そうでない人にはあまり知られていないかも??なパラオ。
今回はパラオの食文化や基本情報・パラオと日本の関係・実際に住んでみたパラオはこんなところ!
などなどを紹介していきます~!
パラオってどこ?
まずはパラオの場所から。
パラオは太平洋の島で、四国の真南・フィリピンの東に位置します。

島ないんですけど
ズームアップしてみましょう。

おとなりのフィリピンと比べてとても小さいことが分かりますね。
次の項目ではさらにズームアップしてみていきます。
パラオは500以上の島々からなる国
パラオは500以上の大小の群島からなる国です。

パラオの中で最大のバベルダオブ島の周囲を走る道路は全長85キロ。
バベルダオブは首都のマルキョクがあるものの、あまり観光地化されておらず、人も少なく自然豊かなところです。
最大の島の一周の道路が85キロ・・
やっぱりコンパクトな国だね!
その南のコロール島は街になっていて人が多く住み、そこそこの数のお店や観光用ホテルなどあります。
たくさんのパラオ人が住むほか、観光客や在パラオ外国人のほんどはこのコロール島を拠点にして活動しています。
(というかコロール以外の島はほぼ何もありません)

その他パラオでは『カヤンゲル島』『ペリリュー島』『アンガウル島』『カープ島』などが有名。
500以上の島で構成されていますが、実際に人が住んでいるのは9島のみです。

パラオの世界遺産は『複合世界遺産』!
パラオはサンゴ礁の隆起でできた島々。
島ひとつひとつが岩の塊のようになっているのが特徴です。

この島々が並ぶコロール州のロックアイランドと、島々全体を囲うラグーン(サンゴ礁や砂州の浅い水域で囲まれている部分)の南部がユネスコ世界複合遺産として登録されています。

世界遺産には大きく分けて”文化遺産”と”自然遺産”に分類されるんだけど、パラオは両方の要素を備えた複合世界遺産なんだよ。
パラオは島自体が世界的に見ても貴重な存在なんだね!
パラオと日本の関係

日本より3,000キロ。はるか南の島・パラオ。
実は日本とパラオとの歴史は長く、親密な関係にあるんです。
パラオは日本が統治していた時代がある
パラオはスペイン植民地→ドイツ植民地を経て、日本に委任統治されていた時代があります。
日本が統治していたのは第一次世界大戦後~第二次世界大戦後の約30年弱ですが、この統治期間に日本はパラオに学校や病院をつくり、道路や水道などインフラを整えパラオの島々を整備しました。
またサトウキビや野菜などの農業や漁業の工場をつくり雇用を生み出し、パラオの産業開発に貢献しました。
統治中に日本から移住する人も多く、今でも人口約2万人の内5,000人ほどが日系のパラオ人です。
統治終了後も日本はパラオに対して無償援助など行い親交を続けています。
コロール島とバベルダオブ島をつなぐ橋は『日本・パラオ友好の橋』。
日本の無償援助で鹿島建設が施行したものだよ。(2002年完成)


この日本パラオ友好の橋以外にもパラオの中には日本がつくったものと思われる橋がいくつかありましたね~

橋以外にも道路や空港ターミナル、サンゴ礁センターなど施設の整備もしています。
ペリリュー島の戦い

日本軍が大規模な飛行場を構えたパラオのペリリュー島は第二次世界大戦時に激戦の地となりました。
73日間にわたり、日本兵約1万人・アメリカ兵約5万人が死闘をくりひろげる舞台となったペリリュー島。
日本兵10,900名のうち、無事に日本に生還できたのはわずか34名。
アメリカ兵も合わせると約13,000人がペリリューの地で戦死しました。
日本が圧倒的に不利な状況の中、一緒に戦うことを志願する島民のパラオ人もいましたが、日本軍はこれを認めず、結局パラオ人の死者は一人もいませんでした。
このことから、ペリリューの戦いは戦争の残酷さとともに日本とパラオの繋がりをあらわす出来事のひとつとしても語り継がれています。
ペリリュー島では現在も戦闘機などそのまま置かれていて、ツアー見学を行う旅行会社もあり、慰霊者や観光客がおとずれる場所となっています。
こんなに小さな島でそんなにたくさんの人がな亡くなったなんて・・・・
↑ペリリュー島の壮絶な戦いを描いた漫画「ペリリュー楽園のゲルニカ」
2017年度の日本漫画家協会賞優秀賞受賞作品。
2021年に最終回を迎えると同時にアニメ化も発表された話題作です。
試し読みができます↓
そんな風にいろいろな歴史があって、パラオは今も日系人もたくさん住んでいるし親日家が多い国なんだね。
パラオの国旗と日本の国旗が似ている!?

パラオの国旗はこんな感じ↑
日本の国旗と似ていますよね。
鮮やかな水色はパラオの美しい海を、黄色い丸は月をあらわしています。
このデザインが出されたのは1979年。
(パラオが国として独立したのは1994年)
歴史的つながりも深く、親日家も多いパラオ。
このことから、都市伝説的なお話し好きの日本人の間で、パラオの国旗の由来や意味に関していろいろな説が広まることになります。
- 日本の日の丸に敬意を払って黄色い丸を少し左にずらした
- 日本の日の丸は太陽。
”太陽によって照らされて輝く月”という意味がこめられている - 日本の国旗の模範
・・などなどあるようですが、デザインを手掛けたジョン・ブラウ・スキーボングさんはどれも否定しているようです。
口承好き日本人としてはちょっと残念・・かもしれません。
デザインした本人が否定していても未だにあるらしいぞ、このパラオの国旗由来論争・・
まあ日本人として興味深いところではあるけどな
パラオでは日本語が通じる!?
パラオは公用語はパラオ語、第二言語が英語です。
そしてパラオ語の約20%が日本語由来のものと言われていて、今現在も日本語の単語がそのまま使われているものもあるんです。
- ツカレナオース→お酒を飲む
- ダイジョーブ→大丈夫・OK
- アジダイジョーブ→おいしい
- アリガトウ→ありがとう
- エモンカケ→ハンガー
- ベントー→弁当
- デンシバシラ→電信柱
- ダイトウリョウ→大統領
- アツイネ→暑いね
- サムイネ→寒いね
- シンパイ→心配
などなど・・
日本語由来のパラオ語は1000語ほどあるとか。
日本統治時代は単語だけじゃなく日本語を話せるパラオ人もいたみたい。
世界で唯一・日本語が公用語とされているのがパラオのアンガウル州
パラオのアンガウル州ではパラオ語・英語に加えて日本語も公用語として制定されています。
日本は法令で公用語を規定しないため、日本語を公用語として決めているのは世界で唯一このパラオのアンガウル州のみなんです。
日本語が世界で唯一の公用語とされているのがパラオのアンガウルってすごい!
でも今現在はアンガウルで日常的に日本語を使う人はいないよ。
形式的に残っている感じだね。
パラオでは日本語が通じるか?と言われるとNOですが、通じる単語はいくつかあります。
日本語由来の言葉がこんなにある国ってそうないですよね。
パラオには”イノキアイランド”がある

まだまだあります、日本とパラオのつながり。
パラオにはアントニオ猪木さんが名誉オーナーである『イノキアイランド』という島があるんです。
1・2・3・ダー!!
アントニオ猪木さんはまだ観光客がほとんどいない頃からパラオによく訪れていて、トレーニングをおこなったり余暇を過ごしたりしていたそう。
そこで島の所有者のパラオ人が、そこまで気にいったなら・・
と島の命名権と名誉オーナーという権利をもらったそうです。
今でも猪木さんは定期的にパラオに訪れていて、私も何度か飲食店で見かけたことがあります。
イノキアイランドは休憩所として立ち寄ることができる観光ツアーもあるよ!
世界遺産付近のイノキアイランド。
とってもきれいな島なのでパラオ観光の際にはぜひ、赤いタオルを首にかけてお立ち寄りください・・笑
パラオ・住んでみたらこんなとこ①生活・娯楽
パラオの基本情報とパラオと日本の関係を紹介したところで、ここからは住んでみたらこんな感じだったよ~
というお話です!
まずはパラオの生活・娯楽から。
パラオは娯楽がないのでお金が貯まる
パラオには娯楽という娯楽がありません。
本屋もなければ映画館もなし。
服は売っていても日本のように充実しているわけでもないし、そもそもずっと夏だからオシャレもメイクもあまりしなくなります。
光熱費以外にお金を使うところは食費くらい。
遊びと言ったら外食、ドライブ、観光に出かける・・くらい。
あとマッサージを受ける、とかもあるかな。
少ない給料でも貯蓄ができてしまう島です。
外食代は観光価格なので(飲まなくても3,000~5,000円くらい)自炊をすると本当にお金を使うところがなくなります(笑)
パラオでは水道から水が出なくなる・電気が消える
これは住むアパートによってだいぶ違うと思いますが、降雨などの影響で水道がでなくなったり電気が消えたりすることがあります。
観光のホテルではあまり起こらないでしょうが、シャワー中に泡がついたままとかだととても大変ですね・・
自然豊かなところなので多少の不便さは仕方ないですね。
パラオのWi-fiは遅め
レストランや街中ではフリーWi-Fiが充実していますが、どこも海外通話や動画を見るのには厳しい環境ですね。
日本にいる人とLINEしたりネットニュースを見たりする分には問題なく使えます。
パラオ・・というか海外に住んだらどこでもそうかもしれないけど、ネットニュースで出てくる情報以外は本当に入ってこないから、日本の流行や風潮にすごく疎くなるよ。
芸人とかドラマとか・・
ネットニュースにならないようなことは本当分からない!ってなるね。
パラオ・住んでみたらこんなとこ②食べ物・お店
パラオでおいしかったもの
パラオで食べたもので美味しかったものは・・
①suriyothai(スリヨタイ)

パラオにある老舗のタイ料理レストラン!
ここは美味しかったですね~
タイで食べても日本で食べても大体おいしいのがタイ料理。
パラオのスリヨタイも漏れることなくおいしいタイ料理屋さんでした。
②The Taj(タージ)


パラオにある老舗インド料理レストレラン。
南国でこんなに本格的なインド料理が食べられるとは・・!
ここも美味しかった~!
パラオ特有の食べ物って・・??
パラオで美味しかったものがタイ料理とインド料理って・・
それどうなの??
確かにそうですよね・・
でもこのスリヨタイとタージの2店は東京にあっても人気になるくらいのレベルの高さだったんですよ。
・・・・さて、パラオの食文化というと、基本はアメリカ~ンなイメージですね。
日本統治時代はタロ芋などがメインで魚もよく食べていたらしいですが、日本敗戦後~独立するまで長いことアメリカの統治だったこともあり、肉!とかポテトを揚げたりとか、そんな感じのものが多いですね。
特有のものは・・『コウモリ』かな~
コロールのレストランなどで出しているお店もあります。

あとシャコ貝。
沖縄とかでもパラオ産シャコ貝が食べられるようですね。

日本でもパラオ産のマグロなど魚介類をいろいろ輸入してたりもします。
が、やっぱり海鮮系は寒い地域で食べた方がおいしく感じますね。
温度って大事!
パラオにいるとゴボウが食べたくなる!
日本の食べ物に感動する!
外食となるとジャンキー・ボリューミー!!なパラオの食文化。
そんな中食べたくなったのはゴボウでした。
小さな島国であるパラオでは食品も輸入ものが多く、スーパーには野菜もいろいろと売っているんですが、ゴボウはありませんでした。
根菜類の煮物系がひたすら食べたくなったのを覚えています。
海外に住んだらほとんどそうかもしれないけど・・
食はやっぱり日本がいちばん!
たまにバケーションで一時的に日本に帰った人が、再びパラオに帰ってくる際、日本の食べ物のお土産があるとものすごくテンションがあがります!
帰国して金沢で食べた海鮮丼がこの世のものと思えないくらいめちゃくちゃ美味しくて泣けるほどでした!(笑)
これはパラオに長いこと住んでいる人ならうなずいてくれるはず・・!!
パラオにはメイク落としが売っていない
私は海外旅行など行く際、『足りなかったら現地調達でいいや~』と気楽に荷造りをするタイプなんですが・・
パラオで買えなくて困ったものがあります。
数年前の話で今はどうか分かりませんが・・
パラオにはメイク落としが売っていないんですよ。
中心部のコロールにある一番大きなお店『WCTC』には一通りメイクアップ用品は売っています。
(色味が日本人好みじゃないものが多いけど・笑)

メイクアップ系の多さに比べスキンケア系が少なすぎるんですよね。
化粧水などは買えるところもありましたが、メイク落としはありませんでした。
日本から就労などで来ている人はみんな日本で買ってきていましたね。
パラオの人はみんなどうしているのかな~・・
と不思議でした~
パラオ・住んでみたらこんなとこ③地形

パラオは南国なのにビーチが少ない!
パラオと言えばサンゴ礁が隆起した島々・・
岩っぽい島の集まりです。
そのためビーチが少ない!!
コロールの街中周辺は本当にないですね、あっても人工の小さいものくらい。
南国好きってもれなくビーチ好きだと思うんですけど、青い海はすぐそこなのにちょっと遠出しないとビーチに行けない!というのは寂しい感じでした。
パラオ・住んでみたらこんなとこ④交通情報

コロールは車社会で歩道が狭いorない
パラオの街、コロールは車社会。
南国リゾートでのんびりしていそうなイメージですが、みんな基本は車移動。
ちょっとそこのコンビニまで・・も車移動。
そして車通りは多いのに歩道がない道が多く(あっても狭い)
歩いている人なんてまずいない、いたらめちゃくちゃ目立つ!
南国に住んでビーチをのんびり歩きたい!
という人はパラオは(主にコロール)は不向きですね。
パラオ・住んでみたらこんなとこ④治安
パラオは比較的治安がいい国と言われていますが、住んでみると2・3か月に1度くらいは殺人事件や暴行系の物騒な話を聞く事もありました。
念のため暗くなってからの夜道や外出などはなるべく避けた方がよさそうです。
またコロール州では夜間外出禁止令があり、18歳未満は保護者なしで夜22時~朝6時は外出してはいけないことになっています。
成人で観光客であっても夜中にフラフラしていると警察から声をかけられることもあるようですのでご注意ください。
パラオ・住んでみたらこんなとこ⑤気候・自然災害
パラオはいるだけで肌が潤う!
・・が、むくみやすい
パラオの湿度はすごく高く、年平均82%!
日本では保湿をしてもしても、なかなか潤ってくれない乾燥肌な私の肌ですが、パラオではいるだけで肌が潤います。
化粧水をちょっとパシャッっとするだけで日本でクリームを塗りたくったよりも保湿効果があります。
その分すごくむくみやすいので、塩分は控えめに・・
これは高い湿度に加え、先ほど書いたように歩く習慣がないことと、アメリカンな食生活も影響していると思われます。
台風が上陸したら大変な損害を受ける
豊かな自然に囲まれたパラオ。
時に甚大な自然災害を受ける場合があります。
基本的には台風が発生する場所であり、台風被害を受けることはあまりありませんが、万が一上陸してしまった場合には大変なことになります。
パラオの有名な観光スポットで、引き潮の時だけ白い砂の道が現れるロングビーチがありますが、私がいた頃は台風の被害で砂が大移動して道が途切れてしまっていました。
(↓カヤンゲルのロングビーチ。『ロングビーチ』はパラオに何か所かあります)

台風の影響による砂の移動でロングビーチがショートビーチに・・
この時の台風では簡易的に作られた家屋なども飛ばされてしまうほどの被害が出ました。
観光時に飛行機が飛ばなくなったりすることも。
ある程度覚悟してスケジューリングには余裕をもたせておくといいかもしれません。
パラオ・住んでみたらこんなとこ⑥日本人コミュニティ
以前に『リトルフォレスト』の記事でも書きました、田舎暮らしの人間関係は大変だ、と。
これが人口が少ない海外、日本人がそこそこいるところだとそりゃもう大変です(笑)
パラオの人口約2万人・うち日本人は約300人。
在パラオ日本人の情報は在パラオ日本人同士の共有事項だと思ってください!(笑)

パラオ・住んでみたらこんなとこ⑦パラオは‥出ます!
パラオは出ます!
霊的なアレですね。
先ほどお話しましたが、ペリリュー島ではたくさんの人が戦死しています。
ペリリューだけでなくコロールやバベルダオブ、アンガウルにも戦争の痕が残されていて・・つまりパラオではどこでも出没するんです。
実際パラオに住んでいる人ならそんな話の2つや3つはたいてい誰でも出てきます。
実際に私も全く霊感などありませんが体験しました。
『非科学的なものは信じない!』
なんて人でも、しばらくパラオに滞在したら価値観は軽く変わるかも・・!
部屋のドアをやたらノックしてくるこんこんオバケがよく来てたよ。
ダイビングが有名なパラオは海中での心霊話もとっても多いよ。
興味がある人はパラオに行ったらぜひ現地の人に心霊体験話を聞いてみてください。
ライトなものからヘビーなものまでいろいろ聞かせてくれると思いますよ!
おまけ・首都マルキョクの建物がやたら立派!

観光客や住人があまりいない、バベルダオブ島にある首都マルキョク。
この建物がとっても立派なんです。
入国してからの様々な手続きはコロールの街中にある役所で済ませることができるため、住んでいても訪れることはほぼありません。
こんなにちゃんとした建物なのにいつ行っても人気がありません。
まとめ
今回はパラオのいろんな情報を集めてみました!
ダイバーじゃなくても日本人ならなかなか興味深い話もあったのではないでしょうか。
新型コロナの影響でなかなか海外旅行に行きづらいですが、終息後の旅行先の候補としてぜひパラオを検討してみてください♪
11月~5月・乾季のハイシーズンのパラオは最高ですよ~
まったね~♪

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